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10数年前まで川崎市中央卸市場北部市場では、排出された発泡スチロール魚箱はインゴット形態で主として海外輸出され、建材等に再利用されてはいるものの、貴重な資源として国内で高度再利用する機会を失っていました。2012年に私たちは水産仲卸協同組合及び川崎市経済労働局中央卸売市場北部市場に向けて、排出魚箱を資源として活かし完全リサイクル提案をさせて頂き、競争入札で選んでいただきました。
北部市場の魚箱リサイクル化に先立って、2005年知的障害者作業所「リプラス」を設立し、使用済み発泡スチロール製容器等のリサイクル事業に取組みました。障害のある仲間たちが発泡を分別し、張り付いているシールや異物等をコテを使って除去し、純度の高いプラスチック成型原料である樹脂ペレット(汎用ポリスチレン)を生産する「同愛会リプラス方式」を確立し生産活動を行ってきました。「リリペレット」は私たちが生産した再生原料の商品名です。
「同愛会リプラス方式」は、知的障害のある仲間たちが生産活動を通して企業とつながり、社会参加する活動です。この方式は障害の重い仲間も参加できるという特徴があり、しかもリリペレットとして出荷する達成感を得ることができます。
北部市場では廃棄魚箱処理として年間2~3千万円の経費を要していたと聞いています。また、北部市場で生産されたリリペレットの販売は年5千万円ほどになります。障害者と障害施設とが川崎でこのような経済効果をつくっています。残念なことに、近隣の卸市場では重度の高い汎用ポリスチレン生産ができずにインゴット形態で海外輸出されています。貴重な資源を失っています。
「同愛会リプラス方式」による高度リサイクル事業は、地球温暖化・脱炭素化・資源の国内循環など「福祉(障害)と環境の融合から共存・共栄」モデルとして試行しています。私たちの取組みが県外に広がり、障害のある全国の仲間と仲間たちとともに地球が直面している環境課題に挑戦できることを願って第17回川崎国際環境技術展に出展することを決めました。
ご案内かたがた皆様のご来展をお待ちしております。
令和6年10月